研究概要 |
移動式並列型動物実験システムの開発を行った。本実験システムはドイツで作製されたハト用MMP(multiple,portabIe,and programmable)パネルをモデルとし、新システムの開発にあたっては、動作の信頼性を上げる、モニタ上に画像をコンピュータ制御で提示できるようにする、2キイの同時弁別と1キイの継時弁別の両方で使用可能にして汎用性を高める、などの改良が加えられた。完成したシステムを用いて、離散試行型同時弁別訓練とgo/no-go型継時弁別訓練での弁別獲得過程をハトを被験体として検討した。いずれも、従来の標準的なスキナー箱での同様の実験と比較してはるかに短期間で学習が完成し、本システムの有効性が確かめられた。 本システムを用いて次年度より行う実験研究のために、 情報エントロピーの概念に基づく刺激同定モデルを新たに開発し、既存のモデルとの関係について理論的な検討を行った。その結果、このモデルはShepar-d-LuceのモデルおよびGRT(General Recognition Model)同定モデルを含む統一的なモデルであることが明らかにされた。また、このモデルを動物(ハト)でのカテゴリー弁別実験に適用するためのパイロット実験を行った。
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