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1998 年度 実績報告書

空間の視覚機構と運動機構との関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610075
研究機関九州大学

研究代表者

中溝 幸夫  九州大学, 大学院・人間環境学研究科, 教授 (60036978)

キーワード輻輳・解散 / 立体視 / 視方向
研究概要

本研究の目的は、空間を処理する人間の視覚機構と眼球運動および頭部運動を制御する運動機構との関係を実験的に解明することであり、本年度の下位目標として、「相対距離、絶対距離、物体の大きさを処理する視覚機構とバーゼンス運動(輻輳性眼球運動)との関係の解明」を計画した。本計画にしたがって、次のような実験を行い、その成果を得た。
観察者に提示する刺激は、ランダムドット・ステレオグラムで、ステレオグラムの中にノニウス線分を設けることによって眼球位置を統制した。刺激の作成と刺激の提示には、パーソナル・コンピュータおよびハプ口スコープ(現有設備)を用いた。ステレオグラムの“感覚融合"を利用して眼球位置を制御することによって、個々の被験者の眼球開散の限界値を調べた(実験1)。60名の被験者のスクリーニングを行なった結果、その83.3%、50名の被験者は、視軸が平行位を越えて開散しても両眼融合が可能であった。視軸が平行位を越えて開散する被験者12名について、輻輳角度を独立変数、知覚された奥行量、知覚された刺激の距離と大きさを従属変数にして測定した(実験2)。さらに、6名については、視方向を従属変数にして測定した(実験3)。それぞれの実験の結果、視軸が平行位を越えて開散した条件でも、開散の程度と知覚された奥行量、距離、大きさとの間に一定の比例関係が得られた。さらに、片眼の偏位量の2分の1が視方向の変化に反映されることもわかった。これらの新しい知見は、視覚システムが眼球位置の情報を用いて、直接、網膜像差をスケーリングしており、脳は視軸が平行位を越えて開散した場合でも視軸の位置をモニターしている可能性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 中溝 幸夫: "Pulfrich奥行効果と絶対距離情報" VISION. 10. 195-198 (1998)

  • [文献書誌] Koichi Shimono: "Wheatstone-Panum limiting case." Perception & Psychophysics. 61. (1999)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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