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2000 年度 実績報告書

空間の視覚機構と運動機構との関係に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610075
研究機関九州大学

研究代表者

中溝 幸夫  九州大学, 大学院・人間環境学研究院, 教授 (60036978)

キーワード距離スケーリング / 奥行錯視 / サイクロピアンパーセプション
研究概要

本研究の目的は、空間を処理する人間の視覚機構と眼球運動および頭部運動を制御する運動機構との関係を実験的に解明することであった。下位目標として、(1)相対距離、絶対距離、物体の大きさを処理する視覚機構とバーゼンス運動(輻輳性眼球運動)との関係の解明、(2)絶対距離を処理する視覚機構と頭部運動との関係の解明を計画しており、これらの成果にもとづいて、視覚システムの"機能的原理"を理論的に解明することであった。平成12年度は、これまでの年度で未解明の現象を検討し、これまで行ってきた実験的研究の成果を統合して、空間を処理する視覚系の"機能的ストラテジー"を解明した。第1の原理は、『絶対距離情報を用いた奥行のスケーリング原理』である。この原理は、スカラー情報としての奥行特性を提供する奥行手がかりである両眼網膜像差、両眼網膜像差勾配、運動視差、運動視差勾配を、絶対距離(エゴセントリック距離)情報を用いてスケーリングすることによって見えの奥行特性をアウトプットしていると考えられる。第2の原理は、『両眼統合原理(サイクロピアン・パーセプト原理)』である。この原理は、外界からの両眼入力を1つに統合する機能的役割を果たしていると考えられる。第3の原理は、眼球運動および頭部運動が視覚世界の構築に果たしている役割に関係したものである。視覚系は、外界の事物の運動による運動入力と自己運動にもとづく運動入力を区別するための原理にもとづいた処理を行っている。この原理を『アフェレンスとリアフェレンスの原理』と呼ぶ。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 中溝幸夫: "片眼遮蔽条件下での垂直線分刺激の視方向偏位"VISION. 12. 93-96 (2000)

  • [文献書誌] Koichi Shimono: "Oculomotor responses of stereo-amonalous observers."Japanese Psychological Research. 42. 91-101 (2000)

  • [文献書誌] Nakamizo Sachio: "The Pulfrich effect and depth constancy."Japanese Psychological Research. 42. 251-256 (2000)

  • [文献書誌] 下野孝一: "距離知覚とバーゼンス"心理学評論. 43. 335-348 (2000)

  • [文献書誌] 大隈峰人: "盲点の計測と知覚的補完の時空間特性"VISION. 13. 45-48 (2001)

  • [文献書誌] 西田佐希子: "視覚的エゴセンターの位置"VISION. 13. 37-39 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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