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1999 年度 実績報告書

指尖容積脈波波高値(血液容積脈)を用いた自律神経調節機能の評価

研究課題

研究課題/領域番号 10610077
研究機関札幌医科大学

研究代表者

澤田 幸展  札幌医科大学, 医学部, 教授 (40045539)

研究分担者 田中 豪一  札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10167497)
キーワード指尖容積脈波 / 脈波容積 / ランバート・ベールの法則 / 交感神経活動 / 指血管緊張度 / 指皮膚血管抵抗
研究概要

本研究では,当初考えていた指尖容積脈波波高値[以下では脈波容積(pulse volume: PV)]に代わり,規準化脈波容積(normalized pulse volume:NPV)をαアドレナリン作動性血管交感神経活動の指標として用いることの是非が検討された.NPVは,「ΔI/I」で評価され,無次元の絶対量として取り扱いが可能である.ここで,ΔIは,指尖容積脈波の交流成分-つまり,PVに相当する。また,Iは,直流成分の当該心周期における平均値を表す.これらを記録する光電式指尖容積脈波計は,近赤外光(940nm)を被験指尖部位で透過する方式のものを,独自に試作した.
このNPVは,被験指尖部位において,全血液の平均吸光係数εが大幅に変動しない限り,動脈血中の脈動成分(ΔV_a)と比例関係を成す,と証明された.一方,PVは,ΔV_aとの大雑把な比例関係でさえ,εの制約に加え,さらに二つの制約を必要とした.すなわち,被験指尖部位において,全血液量がさほど変化しないこと,および,指の形態(厚さ,皮膚の色,組成)がさほど異ならないこと,である.また,NPVの対ストレス鋭敏性は,PVを凌ぐものであることも,理論的に予想できた.
こうした理論的検討を踏まえ,13名の男子大学生に対して,暗算および鏡映描写の負荷実験を試みた.その結果,NPVとPVは,ベースラインからストレス刺激負荷へと,いずれも有意な減少を示したが,その程度はNPVにおいていっそう大であった.また,αアドレナリン作動性血管交感神経活動のいま一つの指標と見なされる指皮膚血管抵抗(=血圧/指皮膚血流量)を求め,これとNPVないしPVとの相関を計算したところ,いずれも高い値を示したが,やはり,NPVにおいていっそう高かった.最後に,今後検討すべき課題が何であるかにつき,詳細な分析を試みた.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 澤田幸展: "指尖容積脈波再訪"生理心理学と精神生理学. 17(1). 33-46 (1999)

  • [文献書誌] Tanaka,G.,Sawada,Y.,& Yamakoshi,K.: "Beat-by-beat double-normalized pulse volume derived photopletheysmographi cally as a new quantitative index of finger vascular tone in humans"European Journal of Applied Physiology. 81(1-2). 148-154 (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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