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1998 年度 実績報告書

成長による顔の構造変化に対する顔認知の頑健性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 10610084
研究機関宮城大学

研究代表者

真覚 健  宮城大学, 看護学部, 助教授 (40199675)

キーワード顔の認知 / 顔の同一性 / 顔の特異性 / 顔の既知性 / 顔の成長変化
研究概要

幼児期から成人期へと顔が構造的な変化をしても、同一人物であるという認知が成立するかどうが、すなわち我々の顔認知システムが成長に伴う顔の構造的な変化に対して頑健性を持つかについて実験的な検討を行った。
実験手続きは、幼児期の顔(約5歳)と成人期の顔(約20歳)を被験者に対提示し、両者が同一人物の顔であるが、別の人物の顔であるかの判断を6段階評定法によって求めるものであった。対提示される刺激の半数は同一人物の顔対であり(同一人物ペア)、半数は別の人物の顔を対にしたものである(別人物ペア)。刺激顔はすべて女性であり、被験者は女子大学生である。
同一人物ペアに対する評定値は、別人物ペアに対する評定値よりも有意に高いことが示されたことから、幼児期の顔と成人期の顔といった構造的な変化を伴ったペアであっても同一人物かどうかの判断は可能であるといえる。
顔に対する既知性の同一性判断への影響を検討するため、成人期の刺激顔に対して既知性の高い被験者群と未知な被験者群を設定して評定実験を行った。既知被験者群・未知被験者群ともに同一人物ペアに対する評定値は別人物ペアに対する評定値よりも有意に高いものであり、同一人物ペアと別人物ペアとの評定値の差は、既知被験者群が未知被験者群に対して有意に大きいことが示された。
顔の判断された特異性が同一性判断に影響を及ぼすか検討したところ、幼児期・成人期ともに特異であると評定された顔ペアに対する同一性判断成績が、幼児期・成人期ともに平均的であると評定された顔ペアや、幼児期・成人期のいずれがだけにおいで特異であると評定された顔ペアよりも、有意に優れていることが示された。
以上の実験から、幼児期顔・成人期顔での顔の同一性判断は可能であること、同一性判断には顔に対する既知性や、顔の特異住が影響を及ぼすことが明らかになった。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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