研究概要 |
13箇処の茨城県の保健所の1才半検診の時に,吃音の遺伝歴に関する質問紙を配布した。936名から回解があり,そのうち32名(男児17名,女児15名)に,近親者に吃音歴があることがわかった。その32名のうち住所を明記した11名にパンフレットを送付し,吃音が出現してもあわてないように指導を行なった。その後2ヶ月おきに1回カセットテープを送り、1時間の母子自由遊び場面の様子を録音にとってもらった。 99年の6月(2才4ヶ月〜6ヶ月)頃には,吃音の発現は十例もみられなかったが,2000年の2月(3才)には,1名が単語の初頭音のくりかえし(2-3回),100語中の頻度3回以内がみられ,もう1名には話している途中での不自然な間がみられ,100語中の頻度3回以内がみられ,もう1名には話している途中での不自然な間がみられ,100話中の頻度は4回であった。どちらも症状が軽いが,くり返しのみられた子どもを持つ母親は不安を抱いており両者に子どもにどのように対応するかのパンフレットを送付した。パンフレットの内容は以下の通りである。「お子さんとの会話の中で,次の点を気をつけて接して下さい。1.1日5分でも,子どもとゆったりとした,リラックスした状態で話をして下さい。そのとき,子どもと視線を合わせ,子どもが話した後はゆっくりとした調子で話して下さい。2.子どもが言おうとしていることをさえぎったり,代わって言ったりせず,最後まで子どもの言葉で言わせて下さい。たとえ子どもの話し方が気になっても,話し方に注目するのではなく,子どもの言おうとしている内容に耳を傾けて下さい。3.子どもに,子どもを愛していること,大切に思っていることを知らせてあげて下さい。以上のことを日常の生活の中で気にかけ,より良い関係の中でお子さんの言葉を育てていって下さい。インターネットでのコミュニケーションも考えているが,まだ,11名のすべてが,インターネットを持っていないので出来ない状態である。今後の課題としたい。
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