本研究ではまんが読解力の規定因を明らかにすること、まんが読解力の個人差や発達差が生じるまんが読解の過程を眼球運動分析から明らかにすることを目的としている。またまんが読解力と読書読解力の異同、まんが教材の効果、さらにまんが読み体験の文化的影響についても検討を行う事も目的としている。 本年度は、以下の諸点の検討を行った。 1.まんが読解力の高い者と低い者の、まんが読み過程の眼球運動の測定・分析を行い、読解力の高いものは全体的な視覚的走査を行い、相対的に絵を中心とした読解を行い、読解力の低いものは比較的短い目の動きが中心でふきだしの言葉を中心にストーリーの読みとりを行うことを見いだした。この結果は日本発達心理学会第11回大会にて発表。 2.まんが読み体験の文化的影響調査の第一歩として、韓国の子どもまんがの状況について、ソウルで予備的なフィールドワークを行った。これを踏まえてソウル神学大学との協同調査の準備を開始した。
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