研究課題/領域番号 |
10610100
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育・社会系心理学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
森 俊夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80210128)
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研究分担者 |
田村 誠 国際医療福祉大学, 医療経営管理学科, 助教授 (50272422)
大島 巌 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20194136)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | スクールカウンセリング / 評価 / システム / スクールカウンセラー / 効果 / コミュニティ / ニーズ |
研究概要 |
我が国におけるスクールカウンセリング(SC)活動は、1995年度よりの「スクールカウンセラー(S.Co)活用調査研究委託」事業によって、全国的に広まり、定着しつつある。しかしそこで派遣されたS.Coが体験したことは、病院や相談機関で行われているような「事例への個別対応」モデルでは、学校の中に入り込んでの活動には通用しないという現実であった。SC活動においては学校を児童生徒・教職員・保護者の三者が構成する一つのコミュニティと捉え、その全体に援助活動をシステマティックに展開するといった「コミュニティ志向」モデルの視点が重要となってくる。またその活動の効果や効率に対する評価研究が、システムの発展の観点からも重要となる。 こうした視点に則ったSCシステム(SCS)のことを、我々は「包括的SCS」と呼んでいるが、包括的SCSを構築し、展開・発展させていくためには、まずその当該コミュニティのニーズの把握が必須となる。しかしながら学校コミュニティのSCに対するニーズを把握するためのツールが今まで我が国には存在せず、従って本研究プロジェクトの主眼は、評価ツールの開発に当てられた。 いくつかの予備調査を実施した上、本研究プロジェクトの活動は、SCSに対する包括的ニーズ調査票CAN-SCS(Comprehensive Assessment of Needs for School Counseling System)の開発として結実した。CAN-SCS(教職員版と保護者版。生徒版は現在開発中)には33個のコミュニティ志向のSC活動が挙げられており、その必要性の有無が5段階リッカート尺度で尋ねられる。CAN-SCS教職員版にはその他、教職員の教育観、職務満足度、職務達成感、精神健康度尺度等が、保護者版には教育観、親子関係、簡易心身健康度尺度が盛り込まれ、SCS導入より、これら変数が経時的にどう変化していくか、すなわちSCS導入の影響・効果の測定ができるように工夫されている。研究により、CAN-SCSの高い信頼性と一定の妥当性が確認された。また本研究プロジェクトは、2000年度から新たにSCSの導入を図った私立女子中学高等学校2校を対象校とし、CAN-SCSに基づいたSCSの構築・導入を推進し、現在その効果評価分析を行っている。
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