研究課題/領域番号 |
10610107
|
研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
多鹿 秀継 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (30109368)
|
研究分担者 |
坂本 美紀 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (90293729)
伊藤 俊一 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (50262936)
中津 楢男 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (90133131)
野崎 浩成 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (80275148)
|
キーワード | 算数文章題 / 問題解決 / 学習方略 / 転移 / 縦断的研究 / メンタルモデル |
研究概要 |
今年度(平成11年度)の研究によって得られた知見は、以下の通りであった。(1)昨年3月に算数割合文章題のテストを実施し、得られた結果を分析して以下の成果を得た。(1)コンピュータを利用して線分図を作成する訓練をしてから問題を解いたグループ(訓練群)、コンピュータによる訓練時間と等しい時間をあてて余分に割合文章題の授業を行ってから問題を解いたグループ(過剰学習群)、並びに割合の授業終了後に問題を解いたグループ(統制群)の3グループ間に成績の差が見られ、訓練群が最もよい成績であった。(2)1ステップの解法で解ける易しい問題では、訓練群、過剰学習群、及び統制群の間に成績の差はなかった。しかしながら、解法に2ステップを要する難しい問題の場合、「比較量」及び「基準量」どちらのタイプを求める問題の場合でも、訓練群の成績が他の2つの群の成績をまさっていた。(3)「比較量」を求める問題と「基準量」を求める問題では、「比較量」を求める問題の方が正答率が高かった。(4)問題の難易と問題タイプの交互作用及び問題の難易と問題タイプと条件群の交互作用が有意となり、「比較量」を求める問題の方が易しい問題の場合も難しい問題の場合もよく解かれ、難しい問題の場合には、訓練群が他の2群よりも正答率が高かった。(2)縦断的研究として、昨年7月と今年2月に昨年3月に実施した上記と同一のテスト並びに転移テストを同一の子供たちに実施した。昨年7月に実施した同一のテストの結果は昨年3月の結果と類似していた。転移テストに関しては3群間に差はなかった。現在、昨年7月に得たテスト結果の更なる分析方法を工夫し、かつ今年の2月に実施したテスト結果を分析中である。
|