研究概要 |
本研究は、イメージ描画法を用いて、現代日本青年の他界観の構造をフランス青年との比較において実証的に調べることを目的としている。本年度は、以下の研究を行った。 1.現代青年の他界観調査用紙のフランス語版と国際版の作成 日本で施行した調査用紙をフランス語に翻訳して、フランス語版を作成した。それに合わせて、今後の国際比較調査のために、国際版(英語版)と、アジア地域での比較のためのベトナム版を作成した。 2.他界観質問紙調査のフランスでの実施 上記調査をフランスの研究協力者(パリ第8大学Wallon,P氏およびMesman,C氏に依頼し、パリ第8大学およびパリ第4大学の学生234名(男52、女170、不明12)に実施し、回収した。 3.他界観質問調査 描画2の分析と理論モデル化 フランスの描画資料を縮小コピーし分類整理した。描画資料の結果をカテゴライズし、コンピュータに入れ、統計的に分析した。本年は、特に描画2の分析を次の観点から行った。(2)たましいの移行と往還に関して。2-1たましいの形(人間形、魂形、気体形)と変容。2-2たましいの往来パターン。2-3生まれ変わりの有無と種類など。全体をまとめて、文化表象としての「たましい」の形態変化モデルを提出した。 4.他界観と宗教観、民俗学など関連資料収集 5.国際比較に関する共同研究会の実施 2000年2月に京都大学で、国際比較にかかわる共同研究会を開催し、理論および分析方法を検討した。
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