研究概要 |
本研究では、現代日本青年の他界観の構造をフランス青年との比較に基づき、イメージ描画法を用いることによって実証的に調べた。本年度は、3年間の研究の総まとめを行い、とくに国際学会での発表、英語論文の作成、報告書の作成を行った。 1.現代青年の日仏他界観調査の総まとめ 統計的データの総合整理と考察、質的データ(イメージ画事例)の整理と考察を行った。 2.文化比較を行うための理論枠組の作成、描画モデルの構成、生涯発達論への貢献 文化比較のためのモデルをつくった。また、実証的データをもとにボトム・アップで構築した基礎枠組モデル、たましいの形態変化を表象する描画モデルの作成を行い、一般化していく道をひらいた。2つのイメージ画で調べた「あの世とこの世の空間的位置」と「たましいの移行と形態変化」をライフサイクルや生命論と関連づけることで生涯発達論の新たな観点を切り開いた。 3.国際学会での研究発表 国際行動発達学会(2000年7月,北京)、国際心理学会(2000年7月,ストックホルム)等で発表し議論した。国際的な場で本研究の着眼点と方法論の独創性が高く評価された。 4.英語論文による研究発表 研究結果の一部を"Images of soul and circulatory cosmology of life : Psychological models of folk representations in Japanese and French youths' drawings"と題する論文にまとめた。 5.報告書の作成 日仏のデータを総合した結果、異文化にもかかわらず共通性が多く見い出された。詳しい統計的資料と具体的なイメージ画の個々の事例を網羅した資料的価値の高い報告書を作成した。
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