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1999 年度 実績報告書

大卒5年後の初期キャリア形成に関する追跡的研究-時間的展望の再編成に注目して-

研究課題

研究課題/領域番号 10610113
研究機関大阪教育大学

研究代表者

白井 利明  大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (00171033)

キーワード職場適応 / 職業指導 / 縦断研究 / ライフプランニング / 時間的展望 / キャリア発達 / 環境移行 / 成人期
研究概要

大卒就職者の5年後の職場適応に関するデータを収集するために,大学卒業後5年目の男性1人と女性5人の調査協力が得られ,質問紙と面接による調査を行った。質問紙は,郵送法により,卒業後の進路と職場の状況,職務満足,大学生活と大学時代および卒業後1年目の職業探索行動または職場適応に関する回想,ライフ・プロジェクトの測定を,自由記述を中心に行った。また,縦断的データを重ねている時間的展望と自我同一性地位の測定,VPI職業興味検査を実施した。面接調査は,予備調査を踏まえて,職場適応の実際の行動,その動機と見通しについて明確にするための質問から構成された。面接記録は筆記されると同時に,テープレコーダーで録音され,文章化された。面接時の職業は,小学校教師3人,会社員1人,大学生1人と主婦1人も参考までに調査された。
面接調査の結果から以下のことが示唆された。つまり,(1)大卒就職者の5年後からみると,最初の1,2年は自分のことに精一杯であったが,仕事のサイクルがわかると余裕ができてきて,周囲が見えてきた。すると,それぞれの年代のひとをモデルにして,その職場での自分のトラジェクトリーを見通すことができるようになった。(2)これは,逆に言えば,周囲に特定の年代のモデルがいない場合,その年代を思い描くことが困難であることを示す。(3)しかも,一定のトラジェクトリーを言えることが必ずしも将来展望の明確化にはつながらなかった。それは,結婚という人生事象が重要な課題となっており,夫の勤務先や職業内容,経済状態,妻の労働への理解などによって,大きく左右されると報告するものが多かったからである。また,主婦のモデルを見ないために,そのトラジェクトリーを思い描くことは少なかった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 白井利明: "大学から社会への移行における時間的展望の再編成に関する追跡的研究(II)"大阪教育大学紀要(第IV部門). 第49巻(印刷中).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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