平成11年度では、平成10年度における「こころの居場所づくり」から、それをされに発展させた多様なネットワークを活用した多面的援助方式による「こころのネットワークづくり」を行い、(1)不適応児童・青年が憩えて元気になる「こころのネットワークづくり」にはどのような条件が必要か、(2)それが不適応児童・青年に持つ意義と機能、(3)いかなるネットワークがいかなる問題の心理的援助に役立つのか、(4)その心理的過程について研究した。【対象】発達臨床心理センター、中学校のカウンセリングルーム、および大学の学生相談室へその保護者か教師が相談に来所した事例。【方法】(1)ボランティアの会を結成し、個室カウンセリングでは援助困難な事例に対して、カウンセラーとボランティアと教師とがチームを組み、家庭訪問とネットワークによる援助等を含む多面的援助活動を行った。(2)さらに「居場所づくり」の部屋へ誘い連携をはかった。 その結果、従来の個室カウンセリングや前年度の活動のみでは効果のなかった不登校・引きこもりの事例が、上記のような居場所活動とそれをつなぐ活動等の多面的援助方式によって、元気を回復することが明らかになった。
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