研究課題/領域番号 |
10610131
|
研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
石川 利江 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (20222979)
|
研究分担者 |
井上 都之 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (00281254)
池田 紀子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70281251)
奥野 茂代 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (90295543)
|
キーワード | 在宅介護者 / ストレスコーピング / ソーシャルサポート |
研究概要 |
長野県は長寿県であるとともに在宅介護の割合も非常に高い。そこで本年度は大学の所在する長野県南部のK市の高齢者を介護する主たる介護者全員を対象として調査を実施した。調査方法として、面接調査と郵送による調査の2通りの方法を採用した。在宅介護者の介護状況や福祉サービス利用について、介護者のストレスや健康の状態について調査するとともに、介護ストレス対処法、介護者に知覚されたソーシャルサポートなどについて新たな尺度の開発を試みた。調査項目は、これまでの在宅介護者に関する研究や介護体験記、介護者からの聞き取りから作成された。 本調査結果では、介護者の平均年齢は64.3才で、2年前の調査時よりもやや高齢化が認められた。要介護者と介護者の関係は、妻と嫁が全体の3分の2で、他の研究と同じ傾向が見られた。1日の介護時間は平均5.7時間で、平均同居者数は4.4人であったが、主たる介護者が1人で介護してると答えた。前回の調査結果では、介護の平均時間が6.4時間であり、介護時間の減少が見られた。福祉サービスは他の地域の調査に較べ利用率が低さが今回も前回同様に見られた。サービスを利用しない理由として、介護者自身はサービスを受けたいが介護されている高齢者が受けたがらない、あるいは介護者が自分が介護した方が要介護者が幸せだと考えていることが多くあげられた。ところで、今回新たに開発が試みられた介護者のソーシャルサポート尺度とストレスコーピング尺度について妥当性と信頼性の検討が行われた。介護者へのソーシャルサポート尺度は、情緒的サポート、実際的サポート、否定的サポートの3因子構造とされ、その妥当性と信頼性が確認された。また、介護ストレスの対処尺度26項目は因子分析の結果8因子構造とされたが、上位概念としてまとめられるかどうかの検討を含め、他の地域の介護者にも適用可能であるのかなどの検討を今後行っていく予定である。
|