研究概要 |
3つの調査を実施し分析・考察を試みた。 第1は,女子大学生116名を被験者とした育児観の調査である。調査項目は,(1)育児への積極性,(2)男女の性役割観,(3)対児感情,(4)男性への育児参加期待の4つである。 重回帰分析と共分散構造分析による相関的分析を行った結果,育児への積極性は対児感情によって影響されることが分かった。又今後,より適切な尺度による育児観の調査の必要性が示唆された。 第2は,10年度に基礎研究として行った,女子青年のライフスタイルに関する調査である。調査項目には,(1)平等主義的性役割意識,(2)職業意識,(3)社会態度,(4)ライフスタイルに関する意識の4つである。 本年度は女子短期大学生144名を被験者として行い,10年度に行った女子大学生の結果と比較した。その結果,女子短期大学生は専業主婦を理想とする者の割合が高く,50〜60代までの職業継続意志の有無がライフスタイルや平等意識に有意な差を生じると強く云えないことが分かった。一方4項目の因子分析の結果は,ほぼ同様であった。 第3は,実験計画当初の調査項目(1)育児への積極性,(2)性役割観,(3)対児感情,(4)母親の養育態度について,女子大学生1〜4年生524名を被験者として調査を行った。 現在結果を集計し,先行研究,関連研究についての文献研究をすすめながら本調査の分析と考察を行っている。
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