1. いくつかの催眠誘導に用いられる暗示によって生じる意識状態を測定した。表情筋の筋電図をMem Calcを用いて、周波数分析を行った。運動暗示によって生じた意識状態は、特異な緊張状態を示した。 2. 催眠誘導場面における、催眠者の誘導する言葉の音声をMem Calcを用いて周波数分析を行った。その結果、以下のことが明確になった。未熟な誘導経験者に比べ、熟練者は声の抑揚のリズムが、2.16〜3.15秒のリズムにおいては、有意に強かった。1.02〜1.48秒のリズムに関しては、有意に強い傾向が見られた。 3. イメージ自己体験者の数を増やして、過去の結果の確認をするということについて行った。体験者19名を新たに選び、以前の結果の分析と同じように語彙分析を行った。以前の結果では、イメージ自己体験の役立つ体験者には、体験回数が増加すると、そのときのイメージ自己体験が次回以降5回までの体験に影響を及ぼし、さらにそれが同じように、次回以降の5回までの体験に及ぼすという特定のパターンのつながりが増加するという結果であった。今回の体験者の体験データからは、体験回数を13-25までの回数を一つのイメージ自己体験の体験内容として分析を行った。その結果、二つ目のイメージ自己体験の体験内容までの分析に関しては、前回の結果が支持された。しかし、三つ目までを考慮したとき、それらは支持されなかった。三つ目以上の自己体験の体験を行った体験者の人数が少ないため、それ以降についての分析は不可能であるが、考えられることとしては、二つの体験の流れで、特定のパターンが増加し、その後、イメージ内容のテーマが変化して、それが繰り返されるのではなかろうかということであろうかということである。
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