• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

親子相互交渉が楽しさから葛藤に変わる時期とその要因の探索共感的笑いの増減を指標として発達的共感関係困難期を探る

研究課題

研究課題/領域番号 10610153
研究機関姫路工業大学

研究代表者

中野 茂  姫路工業大学, 環境人間学部, 教授 (90183516)

キーワード発達 / 母子 / 乳児期 / 笑い / やりとり / 困難期 / ふり / 出来事の創造
研究概要

<目的>家庭における日常的、自発的な母子のやりとりの中で生じる子どもの笑いを指標として、乳児期における発達的やりとり困難期とその要因、及び、子どもの笑いの規定因を探ること。
<今年度の実績>ビデオ記録する「育児日記法」によって収集されたビデオデータの分析を行った。最終的に得られたビデオデータは、6〜12か月と15か月のそれぞれで、9、14、16、15、16、14、12ケースだった。
<分析方法>子どもの笑い、不快、母親のくすぐりの開始時点を基準として、その前後20秒を4時間区分(5秒間)に区切り、全体として9個の5秒時間区分からなる45秒間を1エピソードとした。分析コードは以下である。
【母親】(1)行為のタイミング(予期的、不意)、(2)行為の型(そのまま、ふり)(2)くすぐり(4)随伴情動表出(真顔、微笑み、笑い)【子ども】(1)意図性(受け身、協調的、自発的)(2)情動反応(真顔、微笑み、笑い、誘発笑い、不快)
<主な結果>(1)エピソードの分析結果〜子どもの月齢ごとのエピソードの平均出現率を横断的に分析をしたところ、8か月で、笑いのエピソードの頻度が最低となり、不快のそれが高くなるU字型の増減傾向を示した。(2)個人差〜子どもの笑いの頻度の高かった母子と不快の表出頻度が高かった母子とを縦断的に比較したところ、両者の違いを説明するのは、母親の随伴情動表出ではなく「ふり」を用いるかだった。さらに、笑った子どもの親の行為構造では、「ふり」から「そのまま」へ、またはその逆方向への突発的な切り替えが子どもの月齢とともに多用されたが、不快の多いケースでは全く見いだされなかった。
<本研究の知見>(1)8か月頃にやりとり困難期があること、(2)親の遊技性(ふり)と子どもの気質(陽気さ)とが相互作用して、困難期の程度に個人差を生むこと、(3)生後半年から子どもの笑いが親の行為構造(出来事の創造)が示唆するおもしろさの発見であること。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 中野茂: "THE BASIC STRUCTURE OF METACOMMUNICATION IN INTERSUBJECT FUN-INTERACTIONS BETWEEN MOTHERS AND INFANTS : ANALYSIS OF CONTRASTING CASES."Annual Report of Research and Clinical Center for Child Development. 23. 39-49 (2001)

  • [文献書誌] 中野茂: "母親の戯れ行為への笑いの増減から0歳後半のやりとり困難期を探る"日本心理学会第64回大会発表論文集. 64. 1021 (2000)

  • [文献書誌] 中野茂: "乳児と母親との戯れ会う関係発達のダイナミックス"日本発達心理学会第12回大会発表論文集. 12. 239 (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi