情報公開・市民オンブズマン運動の全国的な状況に関しては、全国市民オンブズマン連絡会での会議等に出席し、過去の運動の流れと到達点を調査した。情報公開ランキングを担当している各都道府県の代表者にアンケートを実施し、結成のきっかけや参加者の構成、運動目的などの傾向を分析した。その中で、全国の運動におけるそれぞれのオンブズマン組織は全く同じではなく、タイプ別に分けると(1)少数精鋭のグループ、(2)規模を拡大しようとするグループ、(3)組織化途上のグループ、の3種類に分類できることが明らかとなった。これらの組織化の違いの中で、弁護士や専門家を中心とするグループにおける「逆お任せ民主主義型」と言われる傾向が指摘され、運動組織化の課題となっていることが明らかとなった。以上の課題を下に、もっとも先進的な活動を展開している仙台市民オンブズマンを事例にとり、オンブズマン運動に行き着くことになった1975年「地方自治研究会」結成以降の運動の経緯を調査し、まとめる作業中である。このオンブズマンは少数精鋭+タイアップグループの組織化という運動方針を持っている。そこで、このタイアップグループ参加者への意識調査を計画し了解を得たので、次年度に実施する計画である。また、この組織と比較するために、青森県の運動参加者に意識調査を実施した。青森県では情報公開運動とオンブズマン運動は別個に行われており、各地にオンブズマン組織を作り出そうという組織化の方針を持っているため、当面この2つの地域の比較を通じて運動全体の性格や展望を分析したい。
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