平成12年度は、これまでの庄内地方の農業専従の女性の調査結果をふまえて、研究課題のさらなる解明に向けて、以下の観点から補充調査を進めてきた。 1.女性の地位と役割から見たイエの変化:調査事例のなかから、家族内役割分担の典型的な事例農家を析出し、今日のイエにおける性別分業と世代間分業の特質と問題点を明らかにすると同時に、現代のイエの性格と機能について考察を進めている。 2.地域農業ネットワークの形成を探るための山形県庄内地方の集落調査:経営責任者を対象とした集落の全戸調査をおこない、女性を対象とした調査からは見えにくかった集落の現状を把握して、地域社会における重層的な社会関係の実態にアプローチしつつある。 3.山形県庄内地方と比較した愛媛県南予地方の農業と農家と農村の共通点と相違点:南予地方の蜜柑農家を専兼別・家族構成別にばらつきのないよう選出し、農業経営、家族員の就労状況、家族内役割分担、生活史、家計といった項目についての聞き取り調査を実施している。
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