本年度は、医療・福祉機関における、ボランティア活動の実態および、医療・福祉機関でのボランティア受け入れシステムの整備状況について調査を行った。関東地区病院ボランティアの会地区に所属する28の病院および病院ボランティア団体に5回にわたるヒアリングを行い、担当者やグループリーダーの意見を聞いた。そして、病院ボランティアの活動実態と意識を調査するためのアンケート調査票を、関東地区病院ボランティアの会とともに作成し、1998年11〜12月に調査を実施した。調査方法は、28の病院および病院ボランティアグループリーダーに、各病院およびグループに所属するボランティア数だけ調査票を渡し、病院のボランティア担当者およびボランティアリーダーから、ボランティア活動に来訪した時点で手渡しし、調査期間一ヶ月の間に実際に活動したボランティアのみを調査対象とした。1400票をグループに配布し、854票を配布し、1月末日までに665票を回収した。これは、病院ボランティアに対する実態調査および意識調査としては、初めての数量的・科学的調査であったと思われる。この回収された調査票を集計し分析している。アンケート調査の中に、ボランティア受け入れシステムについての意見や要望を入れてあり、そこから医療・福祉機関によるボランティア受け入れシステム関する課題や問題などが浮かび上がってきた。この点をふまえて次年度の調査設計に役立てる予定である。また平行して、医療・福祉機関のスタッフへの聞き取り調査を行っており、東京築地の聖路加国際病院の看護スタッフ、東京立川の至誠ホームの介護スタッフへの聞き取り調査なども行っている。こうした調査の成果をもとにして、次年度の調査を設計している。
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