研究課題
本年度は、来年度11月に実施を予定している「教育と社会に対する高校生の意識:第4次調査」の準備として以下の作業を行った。1. 過去の調査データの再分析宮城県内の高校生とその父母を対象に過去3回にわたって実施してきた意識調査データをもとに、高校生の社会意識が形成されるメカニズムについて計量的分析を行い、その成果をもとに研究会を行った。その結果、公平感の形成に高校の階層構造が影響を及ぼしていることなどが明らかにされた。2. 他の研究グループとの交流・資料収集東京・関西地区で同様に高校生を対象に意識調査を行っている研究グループとの情報交換を行い、高校生に関する教育社会学的研究の現状について検討を行った。そして、高校教育改革が進むなかで、高校生の学習意識の研究が重要であることが確認された。3, 高校教員への聞き取り・懇談会の開催現在、進行中の高校教育改革が教育現場でどのように受け止められ、実施されているかについて高校教員に聞き取り調査を行うとともに、調査企画をめぐって懇談会を実施した。その結果、来年度、実施する調査においては、(1)「新しい学力観」のもとで高校生の学習意識にどのような変容がみられたか、(2)高校生の規範意識の形成に影響している要因は何か、(3)新しいメディアとの接触は高校生の対人関係をどのように変化させたのが、を中心に調査票を設計することとなった。