本研究では、市民・行政・企業のパートナーシップの下に、市民公益活動によって地域で環境問題に配慮した「持続可能なコミュニティ」が形成されていく可能性を探ることを目的としている。そのために研究実施計画では3つの柱を立てたので、それぞれについてどのように研究を進めたかを具体的に述べていく。 1.地域で市民公益活動の基盤づくり(コミュニティづくり)を行っているNPOサポートセンターの活動実態の調査。⇒環境保護団体が中心になってサポートセンターをつくった「NPOふくおか」、4階建てのビルと什器を企業より提供してもらってサポートセンターとした「NPOプラザなごや」、仙台市から公開入札でサポートセンター運営の業務委託を受けた「せんだい・みやぎNPOセンター」、青年会議所が母体になっている「大阪NPOセンター」などを調査した。 2.NPOセンターの全国組織を調査し、それぞれのNPOセンターをどのようにつないでコミュニティづくりに寄与しているのかの調査。⇒「NPOサポートセンター連絡会(元推進フォーラム)」の5月の全国会議、「日本NPOセンター」の9月の全国大会に出席し、各地の実践例と資料の収集を行った。 3.NPOによるコミュニティづくりの具体例として、「環境自治体」を宣言している鎌倉市の調査。⇒現在の最大の問題である広町・台峯緑地の保存問題およびパーク&ライドによる交通量削減問題をめぐって、「広町を愛する市民の会」、「鎌倉風致保存会」、「鎌倉のまちづくり市民懇談会」、交通政策課、みどり課などにヒアリングを行った。 今後は「持続可能なコミュニティ」を市民の手でつくろうとしている動きとして、ナショナル・トラストやグラウンドワーク・トラストなどの全国的な展開を見せている「地域づくり」を調査していきたい。
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