本研究は、障害者の社会参加に関する情報保障のあり方について、障害者の実際の情報行動に基づいた実態と課題についての整理を実施するとともに、その解決に向けての政策的な考察を行うことを目的として行った。 1998年度は基本的な文献研究と、障害者にとっての社会参加の一つである「選挙」の投票に関する情報障害とアクセシビリティに関する具体的な調査を実施した。これについては選挙学会の機関誌である「選挙研究」に公表した。また障害者の視点に立った電気大型店協会の協力を得て、電気店のアクセシビリティに関する調査を実施した。それらを基礎にして、1999年度は、マクロな視点からの障害者の社会参加に関する課題と情報保障の関連性について問題の整理を行い、その各課題に即した対応の指針と具体的対策について検討した。特に障害者のパソコン利用を支援するパソコンボランティアを対象にしたアンケート調査を実施し、その結果を考察した。また、特に地域情報化における情報バリアフリーの確立の意義を「社会情報学会誌」にて「地域情報化推進の理念としての情報バリアフリー」にまとめ発表した。 二年度に渡る研究調査を踏まえ、障害者の情報障害の現状と、社会参加を促進する上での課題を整理し、考察を報告書としてまとめた。
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