研究課題/領域番号 |
10610203
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
野口 定久 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (30208318)
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研究分担者 |
濱野 一郎 明治学院大学, 社会学部, 教授 (70062148)
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キーワード | 介護保険制度 / 市町村社会福祉協議会 / コミュニティワーク / 在宅福祉 / 地域介護システム / 福祉サービス供給主体 / 地域福祉計画 / 介護保険事業計画 |
研究概要 |
研究目的 この研究は、2000年4月から介護保険制度が施行されるなかで、その指定事業者として介護保険に参入するか、介護保険適応外への対応を主とする地域保健福祉事業体として介護保険と切り分けるか、その対応に混迷している社会福祉協議会のあり方を検証するとともに、社協職員(コミュニティワーカー)が果たすべき新たな役割とその専門性を追求しようとするものである。この研究を通して、介護保険に向けて社会福祉協議会の役割とその担い手であるコミュニティワーカーの専門性を確立し、地域介護システムにおける社会福祉協議会の方向性とこれに応えるためのコミュニティワーク手法の開発をめざすことにある。 研究方法 (1)市町村社協の事業・活動分析;こうした作業分析を通して、社会福祉協議会の専門的機能として、(1)総合性(ニードの総合的充足に向けた諸サービス運営管理機能)、(2)調整機能(コーディネート機能)、(3)計画化機能、(4)組織化機能に分類した。 (2)社協活動の類型化;また、在宅福祉サービスの運営状況、総合相談状況、計画の策定状況、組織化活動状況を市町村社協の活動報告書によって調べ、ある程度実績と特徴がある社協を選定し、それを当面、(1)純組織化社協(在宅福祉サービスをやっていない、地区社協とボランティア中心)、(2)サービス重視型社協(総合的に事業を展開しているが、歴史的・実態的に在宅福祉サービス重視傾向)、(3)組織化重視型社協(総合的であるが、組織化を重視している)というように分類した。 研究結果と考察 基礎自治体(広域型並びに単独型)において介護保険という新しい社会保険制度と地域福祉実践活動の総合的運用が求められている中で、市町村社協の目指すべき方向性は、個々の社協活動の歴史的・地域的文脈に基づいて、それぞれの「社協らしさ」を生かしていくことが重要である。市町村社協のタイプ別に介護保険への対応の方向性、そのかかわり方に応じた専門性の開発の課題、これからの市町村社協の展望と課題を明らかにした。
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