• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

環境問題における企業行動とその制御過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610217
研究機関奈良大学

研究代表者

平岡 義和  奈良大学, 社会学部, 助教授 (40181143)

キーワード熊本水俣病事件 / 「紛争」との状況認識 / 行政の企業への依存
研究概要

平成11年度は、昨年度に引き続き、熊本水俣病事件についての資料の収集、関係者からの聞き取りをおこない、以下の諸点の解明をめざした。
(1)加害企業としてのチッソに関して
1.工場および本社の人々に水俣病に対する認知状況
2.工場における幹部層の人間関係と決定過程
3.外部的隠蔽工作と思われる出来事の実態
(2)制御主体としての行政に関して
1.チッソが加害源であることへの公式確認の遅れ(厚生省、経企庁、通産省等)
2.チッソに対する刑事・行政処分の回避(熊本県警、熊本地検、水産庁)
その結果、以下の点が明らかになった。
1.チッソ内部の部門や個人が、企業行動の結果引き起こされた事態を、企業自体が解決すべき「問題」というより、外部との「紛争」との認識をもって対処した可能性が高いこと。
2.通産省の適切な指導・監督が必要であったが、チッソからの情報に依存していたがゆえに、やはり「紛争」との認識を共有することとなり、結果としてチッソの対応を追認する役割しか果たさなかったこと。
これらの知見については、2本の論文として発表した。
また、水俣病事件の知見をアジアの産業公害の問題の制御に生かすための予備作業として、アジアの産業公害における企業の行動に関する基礎的な資料の収集をおこなった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 平岡義和: "企業犯罪とその制御-熊本水俣病事件を事例にして"逸脱(講座社会学10巻). 121-151 (1999)

  • [文献書誌] 平岡義和: "Organizational Process in Corporate Crime ; A Case Study of Kumamoto Minamata Disease"総合研究所所報(奈良大学). 8号. 199-213 (2000)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi