研究概要 |
Sir Ivan De la Bereの著書"The Queen's Orders of Chivalry"(1961年、William Kimber)のChapter 1.Honours From Ancient Times To The Present Dayと、Chapter 2.Knighthoodに基づいて、1,栄典制度の歴史と、2,ナイトに関して、知見を整理した。今まで日本では正確に知られていなかったナイトについて、いくつかの点を明らかにすることができた。 また、John Walkerによる"The Queen Has Been Pleased-The British Honours System at Work"(1986年、Secker & Warburg)のChapter 2.The first 500 years、とChapter 3.Lloyd George's maundy money、並びにChapter 4.The press baronsに依って、1,イギリスの栄典の歴史、2,Lloyd Georgeによる栄典の大量授与、3,栄典とマスメディアの関わり、についても明らかにした。1と2に関しては、イギリスでは少なからぬ栄典が、王が資金を必要としたために制定されたこと、後の時代にも、政治資金提供の見返りに栄典が授与されてきたこと、3については、政権を支持する新聞の所有者に栄典が授与される傾向があること、等が分かった。 さらに、マスメディアが栄典にまつわる事柄をどのように報道しているのかを知るために、TimesとBBC Newsの記事を検討した。1998年1月1日の新年栄典リストに関する記事を利用した。栄典を受けた著名人から世間的には無名の人達までの、簡単な経歴と、受章者の声を紹介している。彼らの多くが共通して、自分自身の受章は意外だった、と述べている。
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