現在の社会福祉の最重要課題は、福祉ニーズの充足能力を高めるための、地域福祉を基本とした社会福祉サービスの開発と組織化の達成である。特に組織化の課題は、地域ケアにおける社会福祉サービスのシステム化、とりわけ従来からの施設福祉サービスを含めた対人援助サービスのシステム化を早急に図ることである。これまで3年間の研究において、過疎高齢化に悩む島根県内の町村における高齢者生活実態調査から高齢者ニーズを把握し、住民レベルにおける助け合い組織の検討、また公的在宅福祉サービスの広域的展開の可能性を、ホームヘルプサービスやディサービスセンター運営の視点から検討してきた。最終年度は島根県内59市町村の高齢者保健福祉計画に盛り込まれた福祉・介護基盤整備実態を地域介護力として把握し、今後のあり方を検討した。 尚、12年度の研究成果は、島根女子短期大学紀要第39号に「地域社会における在宅福祉サービスの課題(8)」として発表した。
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