研究概要 |
1,深浦町で、地域住民の生活構造を解明するため、漁家ならびに農家の事例調査を、インタビュー形式で行なった。調査は、介護を必要とするに至る重要な要因の一つである生活習慣病に注目し、食生活・食文化について行った。その中で、(1)同じ深浦町でも、漁家と農家、秋田県出身者と町内出身者などにより、食生活・食文化の内容が異なる、(2)それは食材の選択や調理方法・味付けなど多岐にわたる、(3)世代間の食生活・食文化の継承が困難になってきている、(4)食生活・食文化が伝統的なものとして経験的に継承される要素がある一方で、科学的な知識の普及とともに新たに創造されている事例も多い、といった点を確認した。 2,青森県内3町(川内町・田子町・深浦町)の地域住民を対象として、20才以上の男女それぞれ10パーセントを無作為抽出し、郵送によりアンケート調査を実施した。これにより、(1)自分自身を含めて家族の中に要介護者がいるという回答が約3割あり、介護保険法の施行直前ということもあり、介護問題が切実な問題として意識されている、(2)介護の在り方として、社会的な介護サービスを利用しながら在宅介護をしようとする人が圧倒的に多い、(3)介護に関連した知識や技能を身につけたいとする要望は必ずしも多くはなく、また、介護保険法についても「いろいろ耳にするけれども詳しいことはわからない」とする人が多く、地域生涯学習の主要な学習課題として設定される必要がある、等々が明らかになった。
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