「校内責任体制の確立」を基調とする日本の学校経営の原型は、1980年代以降の学校経営政策によってその基調を大きく変容・転換してきた。その変容要因を解明するのが本研究の目的であった。 研究によって解明し得た変容要因としては、(1)規制緩和を改革原理とする行政改革、(2)公教育運営の制度疲労、(3)公教育目標の変化、(4)教育問題の深刻化、(5)学校への参加・参画要求、であった。基調の変容はこれらの要因が促したものであるが、行政改革の力は最も強く作用した要因であった。自律的学校経営は行政改革が指向する自己責任・自己決定の原理と学校教育が抱える様々な問題や課題を解決する現実的必要が相まって導き出された構想である。 これらの要因が、どのように関係しあって新たな基調の形成へと結びついているかについて解明し得たことも成果であった。
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