文部省や中教審が進めようとしている地方教育行政改革に対する地方教育委員会関係者の理解や認識がどのようなものであるのか、改革課題や問題をどう捉えているか、各教育委員会がそうした改革にどのように対応し改革課題を引き取ろうとしているのか等を把握するため教育長に対するアンケート調査を実施した。アンケート調査は、1998年11月中旬〜12月中旬、都道府県・政令市・中核市は悉皆、その他の市町村は無作為抽出1040市町村を対象に行った(回収率は都道府県73%、市町村68%)。調査分析の内容は、報告書を参照してほしいが、中教審答申('98.9)の主要な改革提言に関しては、おおよそ以下のような傾向があった。 (1)学級編制・教職員定数配置の弾力化については、国の財政措置がないと地方で実施は困難である、(2)国や都道府県の基準設定や指導助言は見直されて良いが、最低水準や格差是正に果たす役割は依然大きいし評価する、(3)教育委員の選出の工夫は多少必要であるが、数の弾力化は必要を感じていない、(4)通学区域弾力化に明確に賛成・反対は少ないが、慎重に対処するが約半数、進める方向で検討が1/4あった、(5)学校評議員創設の意義や必要を評価するものが過半数をしめ、その取り組みについては市町村では学校の自主性を尊重するとするものも約半数あった、(6)教職員人事では、校長の具申権・裁量拡大、一校当在職年数の長期化については賛成が多かったが、教員の一校当在職年数長期化・拠点校化では評価が分かれた。
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