1 インド・ラジャスタン州における非政府機関の機能の実態調査 昨年度まで分析を行ってきたラジャスタン州の事例に関して、政治変動によってもたらされた変化のその後を追跡調査し、とくに世界銀行によって推進されているDistrict Primary Education Programme(DPEP)における教育の商業化傾向との対比を検討した。また、州の政治変動の結果、州政府と対立関係にあるNGOのDigantarの初等教育プログラムを訪問調査し、その特性をあきらかにした。またその過程で、海外からの資金援助に関する連邦法が存在し、インド国内のNGOが海外からの支援を受ける際の規制が明らかとなった。 2 非政府機関の機能に関する理論的検討 本来は、政府の責任である基礎教育の普遍化にNGOが関わることの意味を、教育の公共性という視点から検討した。その結果、NGOは資金やスタッフの面で政府の施策を補完するだけではなく、独自の目的を堅持しながら主体的な活動を行うべきであり、教育を受ける権利の保障という点において政府との一致点を見出して、パートナーシップを築くべきであることを指摘した。 3 非政府機関の機能に関する比較研究 ラオスの学校建設を行うNGO、アメリカでインドの基礎教育を支援するNGO、AIV/AIDSにとりくむNGOにおける基礎教育に関する機能についての事例分析を行った。
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