この4年間実施して来た問診票および評価尺度による調査を本年も行った。昨年度の反省から、本年は不登校児童の推薦入学制度が発足し、従来よりも重い不登校の既往のある生徒が集まることとなった。また本年度は同じ愛知県のG高等学校を対象に、入学後の学校や両親に対するイメージの変化について調査を実施した。その結果を見ると、公立高校であるG高校においては、入学前後で学校や、両親に対するイメージは全く変化がなくむしろ悪化したのに対し、黄柳野高校では、入学後学校や教師に対する敬愛は増し、反感は減り、さらに両親に対する敬愛が増加し、さらに将来への希望が増大するという結果が示された。この様に、学校を基本にした対応でも、個々の尊重を徹底することにより、重度の不登校青年も、不登校状態からの回復が可能となることが示された。 新たに18人の個人面接を行った。この中で境界例水準よりも重症と判定される生徒が大半であり、さらにAsperger症候群と診断される生徒がはじめて登場した。前年度に引き続き、非行傾向を持つ生徒への教育的対応の明確化は、今後の課題である。
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