研究課題/領域番号 |
10610243
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
大河内 信夫 静岡大学, 教育学部, 教授 (40026620)
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研究分担者 |
寺田 盛紀 名古屋大学, 教育学部, 教授 (80197805)
依田 有弘 千葉大学, 教育学部, 教授 (50114343)
梅澤 収 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90223601)
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キーワード | 高等学校総合学科 / 科目選択実態 / 進路希望 / 実証的研究 |
研究概要 |
本研究は2年間の調査・分析研究であるため、初年度はデータの収集を中心に展開した。修得科目と進路結果は個人情報としての配慮が必要なため、研究代表者・分担者が個別に学校訪問し、個人名を削除した資料収集した。その結果、平成7・8年度に総合学科を設置した7つの高等学校についての総合選択科目の修得実態と進路希望および進路結果のデータを得ることが出来た。その中で研究代表者大河内信夫は、専門高校から総合学科に転換した1校について分析を行い、日本産業教育学界学会第39回大会において研究発表した。研究発表の概要は、以下の7点にまとめることが出来る。 (1)総合学科の進路希望の変化では、3年間進路希望を変更しなかった生徒は36.8%であり、その他の生徒は何らかの変更をしていた。(2)卒業時の進路結果では、専門高校期に比べ進学者の増加、とりわけ大学進学者の増加が著しかった。(3)総合選択科目の修得状況と進路結果との関係では、就職者のなかで職業教育科目の修得が少ない事例は、進路変更した生徒に多かった。(4)「情報系列」を修得した生徒の多くがコンピュータ関連の専門学校へ進学した例にみられるように、多くの専門学校等への進学者は、主に修得した系列に関連する分野に進学していた。(5)就職者の中で「事務従事者」 「販売従事者」は商業科目を中心とする「ビジネス系列」の修得が多かった。(6)総合学科では、普通科と異なり短大・大学進学者の83.3%が1科目以上の職業教育科目を修得していた。(7)進学から就職へ進路を変更したとき、進路先に関連する職業教育科目の履修を保障するシステムが今後の課題となる。(産業教育学研究第29巻第1号に発表要旨掲載)
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