本研究者が今年度に人材育成の場として実践的に行ったのは、主に3つの場:(1)教育的援助等、(2)障害をもつ学生の受入れ、(3)障害をもつ外国人留学生の受入れ環境の整備である。 まず、(1)については、阪神・淡路大震災後、教育的援助者として支援活動を実践してきたことから明らかになったことを分析し「教育的援助者からの提言」としてまとめ、「国家を超越した人材育成のためのモデル」と「国家を超越した人材育成のための支援ネットワークモデル」として発表したことをふまえて学生に教育の場を提供。また、日常的には留学生との交流支援ボランティアサークルの指導、助言、ならびに国際学生交流シンポジウムの開催指導、助言を人材育成の場として提供。第15回「コロッキアム」研究・講演討論会(今、求められる留学生教育とは)を開催した。また、10年度、11年度に開催したキャンパス・フォーラムI、及びIIで発表された内容ついては、本学留学生センターのHPでもすでに公開している。このフォーラムに関しては今後も継続できる環境が整ったので来年度も開催の予定。 (2)(3)については、「障害をもつ外国人留学生の受入れ環境の整備」を目的として内地研究(期間:平成11年6月15日〜平成11年9月14日、研究先:兵庫県立福祉のまちづくり工学研究所)をした時に行った全国調査(「障害をもつ学生の受入れ」)の結果を基礎データとして、アメリカの大学での障害学生の受入れ状況を調査した。また、障害をもつ(留)学生の受入れに関しては、米国のカンザスシティで開催された学会AHEAD2000(Association on Higher Education and Disability)に出席し知見を得た。「障害をもつ学生の受入れ」に関する調査は、今後、障害をもつ外国人留学生の受入れ、ならびに障害をもつ日本人学生の海外派遣の調査へと発展させ、学ぶ権利を共有できる環境を整えていく基礎的データが出来た。
|