研究概要 |
本研究の目的は、芸道の継承教育におけるノン・バーバルコミュニケーションについての具体的検証にある。すなわち、カンやコツの獲得を主体とした芸能の伝承内容(教授内容)がノン・バーバルな方法・形態によってどの程度正確に伝えられているのか、正確に伝えられているとすればその核心は何なのかを明らかにすることである。その際、(1)ノン・バーバルコミュニケーションとしての口承の教育の実効性を検証すること、(2)実効性の判断に動作解析等の観点を取り入れたこと、(3)比較対照のため3年間に亘っての観察と記録化を図ったこと、の三点に留意した。 《平成10年度》の研究進捗は、ほぼ予定通りで順調である。 ○芸能の成立及びその背景に関する検討と神事芸能の記録 各地を代表する芸能の成立及びその背景に関する歴史的研究の基礎資料の収集を行なった。本年度の資料調査地は、東京、九州、和歌山県、山形県、愛知県、である。 神事芸能の記録は、兵庫県社町上鴨川住吉神社の「神事舞」を中心とした。 ○日本の伝統的舞踊における踊り手と観客相互のノン・バーバルコミュニケーション形成に関する検討 研究分担者の畑野が、第31回Annual Conference Congress on Research in Dance(1998年11月12〜15日、米国オハイオ州立大学)で上記課題の研究成果の一部を発表した。発表タイトルは、Communicative power between the dancer and audience in the traditional Japanese dance,“Nihon-buyoh"and in the Takarazuka Revue Company ○研究成果報告書の作成 平成12年度には、3ヶ年の研究成果を「研究成果報告書」として刊行する。
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