平成12年度は、重症心身障害児に対するQOLの評価用紙を作成し調査した。評価項目を(1)健康(医療や健康)、(2)生活環境(日常生活)、(3)家族、(4)社会的情緒的人間関係、(5)教育や労働(日々の療育活動、労働、学齢時は教育)、(6)レジャー(趣味、楽しみ、レクレーション)、(7)全体的な生活に対する満足度、(8)自己表現や自己選択の度合いの8領域に分けて、日々の介護に携わっている保護者等に回答を求めた。その結果、重症心身障害児は、全体としての日常生活に在る程度満足している者が多いが、本人や家族を支援してくれる人は少なく、環境や福祉施策は不充分であり、将来の健康や生活に不安がある者が多いという結果であった。さらに、個々の重症心身障害児のQOL評価用紙(案)を作成した。 学齢児に関しては、医療的ケアが必要な重症心身障害児についてのこれまでの研究やインタピュー調査をまとめ、報告した。 今後は、(1)QOL評価用紙の一般化、(2)QOLの基本である重症心身障害児・者自身の個人的満足度の評価などが課題となっている。
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