本年度は、研究機関(3年間)の2年目であり、次の2点が主な実績である。 1.昨年度実施した調査(標準学力検査・生活実態調査、平成10年10月、同和地区を含む広島県H市立中学校3年生)の分析を行った。その際、小学校5年生のとき(平成7年1月)同一の調査対象に対して実施した同様の調査の結果との比較が、重要なポイントとなった。 (1)小学5年時には、同和地区・地区外の間の国語・算数の学力(正答率)に有意差は見られなかったが、中学3年時には、有意差が見出された。 (2)上記の学力格差の要因について、生活実態(生活時間、自分専用の娯楽的所有物の有無、親とのコミュニケーション、悩み・心配事、進学アスピレーションなど)との関連で分析を行い、これらの生活実態の中に同和地区特有の特徴と問題を見出した。 (3)この研究結果は、日本教育社会学会大会(平成11年10月、於東京大学)において、「学力問題へのアプローチ」という題目で発表した。 (4)さらに、日本子ども社会学会大会(平成12年6月)において、「学力と自尊感情」という題目で発表する予定である。 2.徳島県N市において調査(標準学力調査・生活実態調査、平成12年2〜3月、同和地区を含むN市立小学校5・6年生、中学校1・2年生)を実施した。 なお、論文については、最終年度に当たる来年度公表する予定である。
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