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1998 年度 実績報告書

ジョン・デューイの教育学構想と実験学校の教育実践に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610274
研究機関実践女子大学

研究代表者

米澤 正雄  実践女子大学, 文学部, 教授 (20175003)

キーワードジョン・デューイ / アルビオン・W・スモール / ジェーン・アダムズ / 実験(室)学校 / シカゴ社会学 / ハル・ハウス / 科学としての教育学 / 社会(的)福音
研究概要

本研究は、ジョン・デューイにおける教育学構想と実験学校での教育実践との関連性、そのありようを、世紀転換期におけるアルビオン・W・スモールの社会学研究・教育およびジェーン・アダムズのセツルメント論・事業との対比において解明しようとするものである。
今年度は、追加認定による時間的制約のため、研究計画を変更して、当初予定していたアメリカ合衆国でのレビューを次年度に回した。そして、研究テーマに関する先行研究を収集。検討するとともに、世紀転換期の社会学、社会事業、プラグマティズムに関する第一次資料を収集・検討した。その結果、次の研究上の見通しを持つことができた。
第一に、デューイ、スモール両者のソーシャル・ゴスペルとしての思想形成については、Rockefeller,S.C.,John Dewey.(1991.)およびGreek,C.E.,The Religious Roots of American Sociology.(PH.D.,1983)により確かな展望を得ることができた。また、アダムズに関しては、木原活信は『J.アダムズの社会福祉実践思想の研究』(川島書店、1998年)において、ハル・ハウス開設の「思想的なバックボーンの一つ」として「トルストイの『イエス教』」を挙げているが、彼女の具体的な論著(自伝『ハル・ハウスの20年』以外の)にあたって論証してはいない。アダムズにおけるトルストイ思想の受容については、筆者の課題としたい。
第二に、従来のシカゴ社会学研究におけるスモールの位置づけ(特にビンセントとの共著『社会研究入門』1894年の意義)が極めて不十分であることが明確になった。例えば、実月誠・中野正大編『シカゴ社会学の研究』(恒星社厚生閣、1997年)、船津衛『アメリカ社会学の展開』(恒星社厚生閣、1999年)に、スモールに関する章はない。このような研究上の偏向は、ロバート・パークを中心にシカゴ社会学研究がなされてきたことから生じている。(例、Bulmer,M.,The Chicago School of Sociology,1984.)この偏向はスモール研究により克服されるべきである。
第三に、デューイとアダムズとの思想的影響関係については、Seigfried,C.H.,Pragmatism and Feminism,1996.があるが、アダムズの原著・論文の参照がまだまだ不十分である。今後は、推論を英訳してレビューにそなえたい。

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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