• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1999 年度 実績報告書

需要減少期における私立大学の収支構造変動についての日米比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 10610282
研究機関椙山女学園大学

研究代表者

丸山 文裕  椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (60144888)

キーワード私立大学 / 教育条件 / 授業料 / 日米比較
研究概要

本年度は、当初の研究実施計画どおり日本の私立大学の財政についてのデータベースを作成し、それを基に私立大学の収支構造を検討した。研究の具体的な成果は、日本の私大の教育条件と授業料の関係を明らかにした点にある。すなわち、大学教育の質と価格との関係は、日本とアメリカで異なっていることが推測できる。アメリカの場合は、比較的明確で変数間の関係も解釈しやすい。高い授業料は、よりよい大学教育の質を購入するためにある。授業料の高い大学は、入学難易度が高く、教育条件に恵まれ、そして学生に対して大きな付加価値を与えてくれる。日本の大学教育の場合、変数間の関係は、それほどはっきりしたものではないし、それについての研究の蓄積も乏しい。日本の大学の経済学部だけのデータを検討すると、授業料と難易度は逆相関し、授業料と教育条件も逆相関であることがわかる。しかしそれらの逆相関は年によって一定ではないし、相関係数自体もそれほど大きくはない。さらに難易度と教育条件の関係も明確ではない。
日本の大学教育において、価格(授業料)と質(教育条件)が相関してないのは、大学が価格支配力を持っていると考えることもできる。供給者が価格支配力を行使できるのは、消費者の選択が限定される場合である。これは、供給者が他に競争相手を持たない場合最も強い。しかしこのような状況は、18歳人口の減少によって変化せざるを得ない。各大学は学生確保の競争状態におかれ、消費者としての学生は、選択の幅が広がる。そしてこの競争によって、質(教育条件)や人気(難易度)が価格(授業料)に反映することが予想される。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 丸山文裕: "大学教育の質と価格"椙山女学園大学研究論集. 第31号.

  • [文献書誌] 丸山文裕: "私立大学の財務と進学者"東信堂. 225 (1999)

URL: 

公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi