本研究は、日本が産業国家として成長する過程において、女性の果たした役割を産業教育史と関連づけて実証的に研究することを目的とし、(1)思想的研究、(2)制度的研究、(3)実態的研究という3本の柱で研究を進めた。 本年度は、主として(2)と(3)の柱を中心に、文献資料を調査して、2件の論文と1件の著書にまとめた。特に(3)の柱については、国立公文書館に保管されるぼう大な量の学校関係簿書をもとに、個別的な学校実態を調査し、併せて国会図書館および国立教育研究所に保管される地方教育史、学校一覧、学校沿草誌および記念誌等を調査した。また事例校として取り上げた各学校に照会して資料を収集した。交付された補助金は主として在京資料の調査と複写に使用した。 その結果、1)高等蚕糸学校における製糸教婦養成科2)中等蚕業学校の女子部、3)女子農業学校および共学農業学校、4)女子商業学校、5)女子の従弟学校、技芸学校、職業学校等の実態を明らかにすることが出来た。 これらの研究成果を『女性と産業の教育関係史』としてまとめ、近く公刊する(2000年4月末日予定)
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