研究課題
本研究の目的は、知的障害児の指導に関わる教師のトレーニングプログラムの開発を試みることであった。研究の柱としては、トレーニングプログラムの内容と方向性に関する研究、トレーニングプログラム案の立案と実施に関する研究、トレーニングに関連した資料の作成があった。トレーニングプログラムの内容と方向性に関する研究においては、KJ法を用いたトレーニングプログラムの内容と方向性の分析が行われた。この分析から、個別教育計画の作成において、行動分析の知識が有用であることと、教師間のコミュニケーションを改善しパートナーシップを養成していくことの重要性が示唆された。トレーニングプログラム案の立案と実施に関する研究においては、先のトレーニングプログラムの内容と方向性に関する研究の結果を受けて、行動分析の教授に関する研究の実施と教師間のパートナーシップを養成することを目的としたプログラムの立案とその有用性に関する検討がなされた。パートナーシップ養成に関するプログラムの有用性の検討は、5日間の日程で12名の養護学校の教師の参加を得て行われた。プログラムの障害児教育に関する知識の面では、コミュニケーションの指導を中心にノンバーバルコミュニケーション、行動分析、認知発達、ファシリテーテッド・コミュニケーション等の内容が選択された。このプログラムにおいては、作業や協議の時間の割合を増やし、障害児教育にかんする知識と他者との問題解決場面におけるコミュニケーションの技能の獲得が可能かについて検討した。結果、参加者からの良好な評価を得ることができたトレーニングに関連した資料の作成については、「ビギナーのための学習障害(LD)ハンドブック」の作成を行った。
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