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2001 年度 研究成果報告書概要

戦没者祭祀と祖先観の変容に関する民俗学的研究-新潟県佐渡の墓碑・忠魂碑・護国神社-

研究課題

研究課題/領域番号 10610300
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 文化人類学(含民族学・民俗学)
研究機関東京大学

研究代表者

岩本 通弥  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60192506)

研究期間 (年度) 1998 – 2000
キーワード祖先崇拝 / 戦没者祭祀 / 弔い上げ(50年忌) / 忠魂碑 / 護国神社 / 合同慰霊祭 / 戦没遺族 / 義民供養
研究概要

本研究は、新潟県佐渡という地域社会において、戦没者に対する祭祀や供養が、その地域の祖先観にどういう影響を与えたかという点を、フィールドワークに基づいて、明らかにしようというものであり、以下、本研究によって得られた新たな知見を箇条書きする。
(1)佐渡東北部の相川地区は、かつて墳墓に永続的な墓石を建立しない地域であったが、日清日露戦争以来、戦没者の碑(墓碑と顕彰碑の区別は暖昧)を建立することが契機となり、それ以外の家族の墓碑をも併せて、先祖代々之墓として建立するようになっている。これが戦没遺族以外にも先祖代々之墓を波及させた蓋然性が高い。
(2)戦没者の碑は日清・日露の頃までは、集落の共同墓地域内に建立する地域が多かったが、シベリア出兵以降になると、道路脇や寺堂境内など公共の場に建立する傾向に移っていき、それが墓碑的性格から顕彰・戦勝祈願的性格を帯びていく。
(3)各集落では当初は従来の義民に対する供養と同形式で、戦没者を慰霊・鎮魂していたが、(2)とも関連して、行政町村(寺院等での合同慰霊祭)や佐渡全体で祀る形式(護国神社)も現われ、戦没者の慰霊は重層化している。
(4)忠魂碑や戦没者祭祀の施設は、むしろ戦後に建立される方が事例的に多く、特に当地の最終年忌である50回忌に合わせ、神社境内に統合されたりする一方、戦没者碑を破壊し、祖霊一般に融合させようとする遺族もあり、その対応(儀礼的処理)は多様であった。

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公開日: 2003-09-17  

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