本研究では、(1)これまでアフリカで実施されてきた開発援助計画に対して、公刊資料や直接の聞き取りをもとに、人類学的研究が果たしてきた役割に関する広範なレビューと類型化を行った上でその貢献の度合いを評価すること、また、(2)アフリカにおける開発援助計画の4分野(農業・牧畜に対する開発援助計画、野生動植物資源の利用と地域住民の福祉に関する開発計画、移住再定住化計画、都市部低所得者居住地域の再開発計画)に注目し、それらの失敗と成功の事例を抽出し、人類学的研究成果の貢献を明らかにすること、(3)エチオピア西南部アリ地域及びケニア北部トゥルカナ地域における農牧民を対象とした開発援助計画の評価と内発的発展の事例を記載すること、(4)最終的には、アフリカにおける開発援助計画に対する人類学的研究成果の応用に関する資料の集成をおこない、アフリカにおける「開発」に取り組む人々が独自の視点を生かした成果を積み重ねるための一助となること、の4つを行う。 平成12年度は研究対象とした開発援助計画の4分野のうち、移住再定住化計画、都市部低所得者居住地域の再開発計画をとりあげ、エチオピアを対象に人類学的研究の活用、人類学者の関与があった計画について文献の収集と包括的レビューをおこなった。収集した文献の梗概を作成し書誌データとともにデータベースを構築した。
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