平成10年度:(1)農業開発援助計画、および牧畜民に対する開発援助計画に対する人類学的研究の役割:アフリカ大陸全域を対象に人類学的研究の活用、人類学者の関与があった開発援助計画について広範な文献の収集と包括的レビューをおこなった。 平成11年度:(2)野生動植物資源(共有資源)の利用と地域住民の福祉に関する開発計画に対する人類学的研究の役割:東および北東アフリカ(タンザニア、ケニア、エチオピア)を事例にとり国立公園、保護区などの開発計画に関与した人類学者の報告と、援助実施機関の内部資料、非公刊文書などを入手してレビューをおこなった。 平成12年度:(3)移住、再定住化計画に対する人類学的研究の役割:ダム建設等の住民の移動をともなう大規模開発および難民(スーダン、ケニア、ソマリア、エチオピア)の処遇をめぐる問題等に関する人類学的研究成果の活用について資料収集をおこなった。(4)都市部低所得者居住地域の再開発計画に対する人類学的研究の役割:出稼ぎ民、インフォーマルセクター従事者に関する人類学的研究の成果およびナイロビ、キンシャサ、アジスアベバを対象とする開発計画文献の収集と包括的レビューをおこなった。 平成13年度:(5)研究代表者と分担者がそれぞれ長年にわたって現地で人類学的調査をおこなってきたエチオピア西南部のアリ地域及びケニア北部のトゥルカナ地域における農耕民と牧畜民を対象とした開発援助計画の評価と、在来知識の開発援助への適用の可能性を考慮した内発的発展の事例を記載した。(6)今後もアフリカ地域における開発援助計画に対する人類学的研究成果の応用に関する資料の集成を継続しておこない、様々なかたちでアフリカ地域における「開発」に取り組む人々がアフリカ独自の視点を生かした成果を積み重ねるための一助となることをめざす。
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