1.既収集史資料の整理と分析 (1)昨年度までに既に収集した史資料の焼き付け、整理を完了した。とくにモラヴィアンの医療実践とアメリカ南部の治療伝統や食文化との関連を考察するための史料の焼き付けと分析を行った。(2)モラヴィアンの医療実践に関しては、周囲の人々との関係性、食文化等生活全体における医療と医療者のありかたについて、分析を深めた。(3)アフリカン・アメリカンの治療の知恵、アメリカ先住民の治療伝統とヨーロッパからの移民の治療がアメリカ南部ノースカロライナという地でいかに影響を与え合いつつ実践されたかを検討した。(4)アフリカン・アメリカンやアメリカ先住民の治療と食文化をはじめとする他の生活文化との関連性については、今後も引きつづき分析を行いたい。 2.ハーブ・ガーデンおよびハーブ治療の厚い歴史的伝統の発掘と整理・分析 モラヴィアン共同体村の医師のノート、医師が参照した治療マニュアル等の整理・分析を行い、移住初期ハーブ・ガーデンがどのような目的でつくられたのかを明らかにした。ノースカロライナ州立大学Southern Collectionより取り寄せた18世紀モラヴィアンの医療に関する論文も参考として検討した。今回明らかになったハーブ・ガーデンの伝統と現代アメリカのハーブ治療の状況に関しては、今後の研究課題としたい。 3.レヴューエール大学のジョン・ウォルナー教授およびノースカロライナの医療社会学研究者テリー・グレイドンと連絡をとり、18・19世紀ノースカロライナ州の医療に関する最新のデータや史料に関し知見を得た。 4.研究成果報告書を作成した。
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