仏教関係の女性団体は宗派も多く、全体像をつかむには至っていない。しかし、史料調査によって第1次史料や雑誌などを見つけることが出来た。まず、新聞史料(『岐阜日々新聞』、『日の出新聞』)記事の抜き出しをした。さらに、史料の発掘として、(1)大谷派婦人法話会の高山支部の記録(手書き)大正4年から大正8年をみつけることができた。(2)日蓮宗「村雲婦人会」の「設立認可手続」に関するパンフレット(大正11年)、および村雲婦人会の機関誌『瑞雲』(大正12年から昭和16年まで)60冊を閲覧、複写した。地域としては、京都、岐阜、愛知を中心に調査した。その結果、前述の(1)・(2)は岐阜県においてみつけた史料である。京都については、次の仏教系女性団体の存在がわかった。京都婦人慈善会、伏見婦人慈善会、仏教花園婦人会、京都婦人報国会、常葉婦人会、華園婦人会、本福寺婦人会、浄土宗婦人修養会である。これらは、創立の時期や新聞などに報じられる特別な活動が行われた時の様子はわかるが、年表的に活動を追うには至っていない。また、京都については、仏教系女子教育機関についても以下のことがわかった。京都淑女学校(大谷派)、京都女子大学(西本願寺)、吉水学園(知恩院)、家政学園(浄土宗西山派)、明徳女学校(日蓮宗)、光華女子大学(真宗大谷派)などである。
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