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1、但馬国府の所在地と移転問題に関する研究史の整理
(1)関連文献の収集 奈良国立文化財研究所図書資料室のみならず、京都大学図書館、出石町・日高町など関係機関の協力を得て、複写の収集を継続した。
(2)研究史の検討 研究文献の内容を現在検討中であるが、ほとんどの論文が発掘調査が行われる以前のものであるため、地名や地形などの歴史地理的な分析が中心となっている。その成果も勿論参考としなければならないが、近年の発掘成果をふまえ、新たな資料を取り込んで、再考すべきことを痛感している。
2、但馬出土木簡の調査
今年度は、袴狭遺跡(出石町)と祢布ケ森遺跡(日高町)および但馬国分寺跡(同)から出土した木簡の調査を実施した。特に袴狭遺跡については、近年出土分の多くが奈良国立文化財研究所に預けられており、発掘機関の許可を得て、それらの木簡を調査し、釈文の再検討を行った。また、これらの遺跡に関連して、今年度は、兵庫県教育委員会の協力により、新たに木簡が出土した市辺遺跡の現地調査もおこなった。
3、平城宮出土の但馬関係木簡の調査
また、但馬地方出土の木簡と併せて、平城宮跡から出土した荷札木簡のうち、但馬から送られてきた荷札木簡について、資料収集を行い、写真等で釈文を検討した。これらについてはなお、次年度以降も調査を継続し、釈文の集成を行う予定である。
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