研究概要 |
次の要領で3年計画の研究の2年目を終えた。(1)学会等での研究報告(口頭):(1)アメリカ学会第33回年次大会部会B「文化戦争」(6月6日,大正大学)において,「ブラックパワー以降のアフリカン・アメリカン政治・経済・文化闘争再訪-PCと『アンダークラス』の間」と題して,主に運動期以降に焦点を当てて黒人思想潮流の再検討を行った。(2)京都大学現代史研究会(7月25日,京大会館)において,「地域闘争としての米国市民権運動-南部と北部の事例研究に基づく中間報告-」と題して,一連の地域的闘争としての特徴に注目して公民権(市民権)運動の全体像をデッサンする試みをおこなった。(3)国際日本文化研究センター第14回国際セミナー「文化の越境」(11月12日,国際日本文化研究センター)で,"The Aftermath of Rev.King's Dream:Boston Busing Revisited"と題して,ボストンを中心に裁判所による「上からの」人種統合教育の波紋について報告。(4)京都大学現代史研究会例会における「合評会:灘本昌久著『ちびくろサンボよ すこやかによみがえれ』(径書房,1999年)」(12月11日,京都大学文学部)で,米国の人種差別の現状について報告する。(2)米国人研究者によるレヴューおよび史料収集(8月12日〜28日):(1)米国人研究者との協議:ニューヨーク大学教授Robin D.G.Kelley,エモリー大学教授David J.Garrow,ジョージア大学準教授Robert Pratt,ジョージア州立大学助教授Glen Eskew,アラバマ洲バーミングハム市立図書館アーキヴィストJames Baggettの諸氏との討論から貴重な示唆を受けた。(2)ジョージア洲アトランタ市立図書館およびアラバマ洲バーミングハム市立図書館で文書史料を入手(複写)した。またバーミングハムに所在するCivil Rights Instituteにおいて館長Odessa Wolfolk,元市長David Vann,さらに元労働組合活動家諸氏へのインタビューから証言をえた。
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