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本研究は中国内蒙古自治区の各地で戦前に採集され、現在東京大学に所蔵されている、細石器資料の整理と分析を課題としている。
はじめにホロンバイル採集の細石器のうち代表的な二地点のものを選択し、初年度、二年度は削片系の細石器を出す地点の石器の整理をおこなった。主要な整理は終了しているがまだ完全ではない。この科研以前に図化が終了していたものも一部は再度図化する必要が生じた。また、今まで知られていなかった資料がまだあることが判明し、整理に非常に時間がかかっている。そのためにホロンバイルの細石器の整理は最終年度まで継続することになった。
最終年度である次年度にはホロンバイルの別地点やシリンゴル採集の石器の整理作業に重点を移してゆく予定である。
このような作業と平行して、今年度も引き続き周辺地域との比較研究も進めた。昨年度に引き続き、第2回の研究集会を開催した。細石器出現の背景としてのシベリア後期旧石器文化成立期の分析や、細石器文化遺跡における集落構造の分析についての発表があり、研究分担者を含めた検討がおこなわれた。
また、代表者を含む研究メンバーの一部はウラジオストックに収蔵されているロシア沿海州の細石器資料の検討をおこなった。大陸における細石器石器群はきわめて多様である一方で、北海道の細石器文化との類似もまた見いだせる。まだ今後分析すべき点が多いことが明らかであり、最終年度である次年度までに東北アジア細石器文化の中での内蒙古資料の位置づけあきらかにしたい。
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