1 研究の基礎となる地理情報システムの使用においては、従来から用いてきたMS-WindowsベースのIDRISIに加えて、新たにUNIXベースのGRASSを導入し、さらにperlを用いた独自のプログラムを作成することにより、特定のソフトウェアに依存しない処理や表示が可能となった。 2 地形データに関しては、国土地理院が作製している数値地図を完全に活用できるようになり、さらに世界の標高データであるGTOPO30を利用できるようになった。これによって、地形的条件に関する国際的な比較も可能となった。 3 土地条件の分析において、日本列島全域と、岡山県などの地域レベル、および岡山県北房町などの盆地等のレベルにおいて、標高や傾斜、平均気温などの検討を行い、古墳の築造の背景にある地域的基盤を検討する作業を試みた。 4 土地条件と古墳の分布との関係を探るため、岡山県内の前方後円墳に関する情報をデータベース化し、データベースを地理情報システムと連動させた。 5 古墳の形態の記録に数値地図の手法を導入し、50cmメッシュで標高を測定する方法を、岡山県真備町天狗山古墳において試みた。 6 以上の作業により、本研究の技術的な基盤はほぼ達成でき、来年度以降、応用研究に専念できる条件が整った。
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